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2008.12.05

200年住宅、伝統構法、そして税制度の問題点

悪化の道を辿るか?伝統構法木造住宅を造る環境
新聞によれば住宅ローン減税についての内容が発表されている。その中で気になるのは寿命が長い優良住宅の場合に10年間で600万円の所得税・住民税の控除するというものだ。
その「長期優良住宅」の認定基準案が検討されている。
認定基準案では最も気になるのは「伝統構法」による木造住宅を造る場合へのハードルが高い事である。
案は
① 耐久性(劣化対策)
② 耐震性
③ 維持管理・更新の容易性
④ 可変性
⑤ バリアフリー性能
⑥ 省エネルギー性能
⑦ 面積
⑧ 住環境
⑨ 計画的な維持管理(記録作成及び保存)
となっているが、②の耐震性の内容が問題である。従来の木造軸組み工法では問題ないのだが、伝統構法は純粋に設計をするとなると、今では「限界耐力計算」による方法しかない。「限界耐力計算」は建築基準法による確認申請をする場合、構造の適合性判定(ピアチェック)を受けなければならないが、新たな建築士法・建築基準法により設計をするにしても審査する側にしてもその担当できる人員は少なく「伝統構法」による家造りの環境が悪化している。
そして、今回、又、新しく200年住宅制度(長期優良住宅)の施行により、一段と厳しくなる可能性がある。
 その認定基準の具体的内容は、
(1) 免震建築物とする事(住宅性能表示制度の免震建築物とする。)
(2) 大規模の地震に対する変形を一定以下に抑える。
次のいずれかの処理を講じる事
ア) 大規模地震による、層間変形角を確認する「限界耐力計算」または「時刻暦応答解析」により確認し、
・ 木造以外の場合 層間変形角を1/100以下
・ 木造の場合 層間変形角を1/40以下
とする。
イ) 耐震等級(倒壊防止)等級2とする。
(地震力を建築基準法が想定しているレベルの1..25倍とする)
ウ) 制振構造等の構法・仕様についてはア)又はイ)と同等であること
としているが。問題はイ)の「限界耐力計算」した場合の「層間変形角」1/40である。
だが、伝統構法を生かす木造耐震設計のマニュアル(木造軸組構法建物の耐震設計マニュアル編集員会で検討された書籍)によれば「層間変形角」1/30とされている。本書によれば1/15迄は十分変形能力を持つとされているが、この設計いくならば十分な検討が必要とされるので安全率をみて1/30とされたのである。我が伝統構造の会でも工学院大学の協力により実験を行ったが、この考え方で伝統構法は復元力があり十分安全であることを実証している。又、イ)の耐震等級の話であるが、建築基準法の1.25倍となっているが1/30を1とすると1.25倍は1/37.5従って「1/40」は、安全率から見ても妥当な線であると、言っているに過ぎないと考えられる。もし、まったく安易なそうだとするとまったく安易な案である。
従って、1/15の1/2の変形とされている1/30を越え「1/40」とする案は伝統構法の耐震性を考慮上では問題があると考えられる。
 今後、200年住宅の施行により、税制等「国の住宅政策」根幹を担うのであれば再考してもらいたいものである。

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